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「盛りだくさんにしないで、たった一つのことを伝えよう。ラブレターは、「愛してる」が伝わればいいのだ。」
「初めて本を書く人が陥りがちな失敗は、たくさんのことを伝えようとすることです。
最初の1冊は力が入りますから、つい盛りだくさんになってしまう。
でも、これからたくさん書いていくのだというつもりで、
言いたいことを1つに絞るのです。本は、好きな人へのラブレターです。
ラブレターで伝えなければならないことは、たった1つです。
「あなたのことを愛している」
同じことしかいってないと言われてもいいのです。
たった1つのことを伝えるために、言葉を尽くすから伝わるのです。」
「友達の少ない人は、作家になれる。1人にならなければ、書けない」
「友達が多いと、話したいことを、つい話してしまいます。
話したいことがあっても、話す相手がいない。
そうなると、それが独り言になります。この独り言こそ、ものを書くということなのです。
では、幸か不幸か、友達の多い人は、どうすればいいのでしょうか。
できるだけ、1人になれる時間をもつことです。
1人にならないと、書くことはできません。」
「作家は、体験をもとに、したことよりも、できなかったことを書く。」
「たとえば、好きになった女性と食事をして、それだけで帰ってきたとします。
これは、体験です。あの時、別れ際にキスしてたらどうなっただろうか、と想像する。
ほっぺたをぶたれたかもしれない。そのままホテルへ行ったかもしれない。
ここからが、創作です。
つまり、体験をもとにしているけれども、体験から、想像が生まれるのです。
したことよりも、できなかったことを書くのです。
だから、1回のデートから、何百通りものストーリーを考えることができるのです。」
人は誰でも作家になれる―最初の一冊が出るまでの101章 (PHP文庫)
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